言葉にするべきこととするべきでないこと

自分の中にある考えを言葉にして書き出すのは記録するという点でとても大切です。

感情は一刻一刻変化するし、その時何を思ったか、どういう感情だったかすべて覚えていることはできないからです。どんなに大切だと思ったことでも忘れてしまうことはめずらしいことではありません。



言葉にするとなにかしら残ります。

会話であれば、話している相手に。

手紙であれば、書いている相手に。

ブログであれば、読者に。


しかし、言葉にすることが必ずしもいいことばかりかというとそうではありません。

今回は言葉にするべきことと言葉にするべきではないことを書いていきたいと思います。





言葉にする危険性その①自分だけの特別感がなくなる




独り言で誰も聞いていない場合を除き、言葉にするとその言葉は共有され、多かれ少なかれ自分だけの所有物ではなくなります。


私は小さいころからずっとおしゃべりが大好きな人間でした。人を楽しませるのも大好きでした。

だから自分が見ていいと思った映画だったり、おいしかったお店だったり、うれしいことが起きたりすると、全部友達にはなしていました。


でも、言葉にして相手にそれが受け取られると、自分だけが知っているという特別感が薄くなっていきます。


今も私はおもしろい話があったら複数人に話していくのですが、話していく3、4人目で自分の中で「飽き」がきてもう話さなくていいやと思ってしまうときがあります。


きっとそれは人に話すたびに特別感が薄れてしまって、その話自体のおもしろさの質は変わっていないのに、自分の中の「その話の価値」は下がっていって「人に話す価値」が0になってしまったということじゃないかなぁと思います。



言葉にする危険性その②批判されるかもしれない


言葉にするということは自分の考えが外に出るということです。

ほとんどの考えには賛成反対意見がついてきます。


たとえば映画を見てとても感動して、その感想を友達に伝えた時にその友達に

「えー?そうかな。ちょっとありきたりだったわ。」

と言われたらがっかりしますよね。


自分がとてもいいと思っていたものを「ちがうよ」と言われたも同然ですから。



批判はいつだって怖いです。

自分がこれだと信じているものをせっかく表に出したのに、

「ちがうよ、そうじゃないでしょ。」

と言われてしまう。


せっかくだしたのに、、、


それなら出さないでしまっておくべきだった。


自分のなかで大切に保管しておくべきだったことはたくさんあります。




言葉にするべきこととするべきでないこと


危険性について書いてきましたが、最初に書いた通り、自分の思考を言葉にするのは大切です。

言葉にしているうちに自分の頭の中が整理されていくこともあるし、批判されることで相手と自分の考えの違いを理解して、自分のオリジナルな思考にも気づくことだってあるからです。

なので、自分の思考をクリアにしたいときだったり、いろいろ悩んでいるときに自分は何がしたいのか、何をすればいいのかを人に聞いてもらったり、こうやってブログに書き出したりするのはおすすめです。


ただ、とっても素敵な経験をしたときにはそれは言葉に出さない方がいいのかもしれません。

自分だけの思い出として、静かに誰の目にふれることもなくしまっておいた方が自分にとってのその経験の価値は衰えないどころか記憶の修正がかかって美化していきます。

過去は現在よりもだいたい美しくなっていくものなので。


とここまで

言葉にすること≒相手に見られること

と想定して書いてきましたが、

途中で「日記」はどうなのかと思いついてしまったので付け足します。



自分だけが見る日記なら上記の危険性はどちらとも当てはまらないですね。笑


ただ、とても素敵な心にじわ~っと溶け込んでいく体験をしたとします。

そうですね、たとえば、


海で嵐に巻き込まれて夜中ずーっと漂流してたとします。

自分たちがどこに進んでいるのか、どこにいるのかもわからない状態です。

電波が通らず電気も消えずっと暗闇の中です。

だれもが不安になっていたときに朝日が出たとします。

それと同時に救助船も見えました。


その人が見た朝日は、今まで見たどの朝日とも違う意味をもってくるはずです。


それを日記に書こうとします。

でも言葉に表せない気がするんです。

その朝日は決して「きれいだった」とか「美しかった」では表しきれない意味を持った朝日だったはずです。

それを無理やり言葉にしてしまうと逆に経験したことの感度が下がってしまう気がするんですね。

それだったら、


2018年6月10日

一晩暗闇と寒さが続いたあとに朝日を見た。そのあとに救助船が見えた。


というふうに事実だけを書いておいた方がきっとその経験は純度の高いもののままになります。



だからやはり”本当に大切にしたいことは言葉にしないほうがいい”んじゃないかなぁと思います。



p.s.

この記事金曜の夜から書き始めてて結局もういま日曜の夜三時ですね。

この記事の”言葉”というテーマ。実はずーっと頭の中にあっていまやっとほんの一部を言葉に書き出せたという達成感をかみしめております。笑

まあ、考えていることの一部ではありますが、このテーマ、何度も文章にしようとしては失敗して失敗して失敗して全部「保存しない」か「下書き保存」の繰り返しだったので、いまちゃんと文章にして出せたことが自分の成長を感じることができて嬉しいですね。

やっぱり書き続けることは大事。








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