噺
『本日は、お日柄もよく』という小説をご存知でしょうか?
物語は主人公が好きだった人の結婚式に行ったところから始まります。
そこで一人のその場にいる全員が心を持っていかれるようなスピーチライターと出会いました。
その女性にあこがれた主人公がスピーチライターという仕事に魅せられてその道にはまっていくというお仕事小説です。
年を重ねるごとに人前で話すという機会が以前よりも増えてきました。
「うまくスピーチを操れると、なんていうか、世界がうまく回ってる感じがして、ものすごい快感!なのよね」
この小説の主人公が弟子入りした天才スピーチライターの言葉です。
もっとも私が今まで経験したものがスピーチとは言い切れませんが、人前で話すという共通部分だけを考えるとこの言葉はとても共感できます。
私はもともと人前で話すことが得意ではありませんでした。
しかし今では、話す前に、さあ今回はどう人を惹きつける話ができるだろう?とドキドキするまでになりました。
こうまで変わっていったのは成功体験が自信を作るきっかけになっていったのだと思います。
人前で話をしたよく記憶に残っている経験は今までに大きく分けて四つあります。
一つ目はおそらく最初に大勢で話すことを経験したであろう、中学の部活の三年生お別れ会でした。
私は部長だったので「じゃあ、みんなを代表して話してください」と言われて話し始めたはいいものの「みんなを代表してって一人ひとり考えてることバラバラなんだからまとめられるわけなくない!?!?」と思いながら話しました笑
その時から対1で話すのは好きだけど大勢を目の前にするとどうもうまくいかないという苦手意識がありました。
二つ目は高校の卒業式(の二次式)です。うちの高校は特殊で一般的な卒業式をやったあとに生徒だけで行う二次式というものがあります。(そういえばこの説明は前の【レベルアップ!】という記事でちょっとふれているのでご参照ください。)
その二次式で初めて自分で言いたいことを考えて話す機会をもらえました。
いやあ、まあ緊張緊張。そのあとの漫才をやる軽音楽部に長い!と怒られた記憶があるのでたぶん時間オーバーをしてしまいました。笑 うまく話せたわけではないですが、私が話していた時に目が合ったみんなが笑っていて、自分が言いたいことが言えたのでよかったです。そこで(一年生は強制参加ではないので)一年生を抜いた高校の生徒とその親御さん、先生という超大人数を前にして話すことができたという成功体験につながりました。
三つ目ががバイト先での経験ですね。【レベルアップ!】でも書いた通りこれは自分の中で大きな成功体験になりました。卒業式のみんながみんな聞いてくれる前提というのと違い、最初は大勢を前にして聞いてもらえてるかわからない状態でしたが、自分の話を生徒に笑ってもらえるというリアクションがもらえたので大勢(まあ40人程度ですが)の前で話すことが恐怖ではなくなりました。
四つ目です。この力をつけた私はサークルでの最終活動のプレゼンに挑みました。用意された完璧な原稿を何回も読み直して強調するところを自分の言葉にして何回も読んでいく。
結果私たちの班は優勝しました。これは私の大きな成功体験です。
しかしサークルでのプレゼンの話には続きがあります。
チームでの活動を終えて最後にチームの枠を払った全チーム合同の有志活動のプレゼンターに任命されました。そのプレゼン原稿は私が書くことになり、結果私が行ったプレゼンは失敗でした。
「おもしろかったよ」友達からはそういわれました。
しかし、面白さは論理がちゃんとしてるからこそ人を引き付けるのであり、面白いだけではプレゼンとは言えません、、、。
自分で人を納得させるような論理を組み立ててそれを文章にするにはまだまだなようです。
とはいっても私の今までを振り返ると人前で話すことが苦手だった中学時代からだいぶ成長しました!
一歩ずつですが、成功体験があったからこそだんだん自信がついて、今ではもっと人前で人を魅せられる話にするにはどうすればいいんだろう?と上へ上へと考えることができるようになりました。
「言葉が世界を変えることもある」
『本日は、お日柄もよく』では政治家のスピーチ原稿の話もでてきます。その時に日本の政治家の名前はすべて創作の名前が使われていますが、アメリカの選挙の話ではヒラリーやオバマといった実在する人の名前が使われます。そして初の黒人大統領としてオバマが大統領になれたのはスピーチがうまかったから、とも言われています。
話すということをもっと自分の得意分野にして、私の話を聞いてくれてる人が話に惹き込まれて面白い!とか楽しい!とか少しでもプラスの感情を持てるような話をできる人になりたいと思います。
来年一年だけでは成し遂げられないかもしれませんが、一応来年の抱負としておきます!笑
それでは、みなさん良いお年を!
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